以下の文章はあくまで一般論です。自己判断で終わらず、症状が続く場合は、必ず受診をされてください
頬の内側や、舌の縁が白くなっていたり、赤みがかって(よくいわれる言い方ではレース状に)いることがあります。時々少し硬く感じることがあります。
歯のかみ合わせに沿ってできることが多いのですが、これは扁平苔癬(へんぺいたいせん)という病態です。
歯ぎしりするくせのある方や、慢性的に歯からの刺激を受ける方にできやすい傾向があります。
基本的に心配いらないのですが、時間が経って硬くなって来たり、痛みが出て来た時は要注意です。下の白板症との見分けが必要になります。
白板症(はくはんしょう)も同じように、機械的な刺激やタバコなど様々な刺激で、頬や舌の粘膜が堅く変化して行った状態です。
この変化する途中で、細胞が変化し、形や性質(増殖の仕方など)が変わってしまうことがあります。変化が進むとがんに近くなります。この変化の程度を軽度から中等度、高度異形成とよんでおり、さらに進むと初期のがん「上皮内がん」になります。
そのため、進んだ異形成では粘膜を取り除いたり、ときには深い筋肉の一部を含めた切除など手術を行うことが勧められます。切除をしない場合でも、変化が進まないか注意深くみて行くことが大切です。
この白板症は口に中だけでなく、声帯など喉にできることもあります。
これも上の写真とよく似ていますが、組織検査を行ってみると上皮内がんという結果でした。
上皮内がんは組織検査でも診断が難しいこともよくあるため、白板症(異形成)と診断されても切除しない場合は、定期的な検査が欠かせません
これは唇や頬の粘膜、舌にできる粘液嚢腫という袋です。
歯に当たって慢性的な刺激が加わったり、誤ってかんでしまうことでおこります。
粘膜の下の層には、小唾液腺という唾液を出す腺があります。ここが刺激をうけたり、噛むことで傷つき、唾液が周囲に漏れ、唾液がたまった袋になります。誤って噛んでしまうと、中から唾液が出て潰れます。
ただ、一旦潰れても、またそこがふさがり、袋になります。何度も繰り返すと、硬くなってしまうこともあります。この場合、袋全体を手術で摘出する必要があります。
小さい子の場合は全身麻酔が必要ですが、大人の方の場合は、局所麻酔での外来手術で取ることができます。
これは舌にできた乳頭腫という腫瘍です。大きくなるとかんでしまうこともあるので切除します。
大きいものでなければ、外来での局所麻酔の手術で取ることが可能です。似たようなものに繊維腫などがあります。