鼻出血

 鼻出血の多くは誘因なく、いきなり起こります。ぶつけたり、あるいは喧嘩などで出血するのは分かります。上の写真のように、お鼻を触ったあとに出血することもよくあるでしょう。しかし原因がわからず仕事の最中や、夜間遅くにいきなり出血することがほとんどです。

 

 ティッシュを詰めて、上を向いて頭の後ろをトントン叩いたりしたことのある方もおられるかもしれません。

 

 小さい子や中高校生くらいの子供さんの、繰り返す鼻血を心配される親御さんも多いことと思います。

 

鼻中隔右側の出血(クリックで拡大)
鼻中隔右側の出血(クリックで拡大)

 

鼻出血が起こりやすいわけ
 
1. お鼻の中は粘膜で覆われていますが、粘膜は皮膚に比べて薄く柔らかく傷が付きやすいのです。
 
2 .お鼻は呼吸をするたびに、外気から刺激を受けています。例えば排気ガスやタバコの煙、冷たい乾燥した空気などにより、炎症を起こしやすく、出血しやすい状態になっています。
 
3 .お鼻の真ん中の境である、鼻中隔の前の方のキーゼルバッハ部位では、上と後ろからの動脈の細い枝同士が入り組んでおり、触ると出血しやすい構造になっています。静脈も特にお鼻の中の外側の出っ張った甲介部分に、血管の集まりをつくっており、充血しやすくなっています。(下図参照)
 
4.アレルギーや、慢性鼻炎などを持っている患者さんは、常に炎症状態があり出血しやすい状態になっています。
 
つまり血管が多く刺激を起きやすい薄い粘膜であることと、呼吸によって、また病気によっても刺激をうけやすいということが出血しやすい原因といえるでしょう。
鼻中隔(クリックで拡大)
鼻中隔(クリックで拡大)