喉頭がんは、耳鼻咽喉科で診るがんの代表です。ご承知のように、喫煙と密接な関係があります。10万人あたり男性5.1人/年、女性0.6人/年(国立がん研究センター 2015)が新たに発症しています。禁煙運動が盛んになっているにも関わらず、喉頭がんの患者さんは増加傾向にあります。
喉頭がんは、喉頭を取る手術で、声が出せなくなったり、永久気管孔(頚部に気管の穴が開いた状態)というイメージが強いかと思われます。しかし初期なら多くは放射線治療や、小さな手術(レーザー治療など)で、声を残せることがほとんどです。早期がんであれば5年生存率も90%程度期待でき、充分社会復帰ができるがんでもあります。
喫煙をされる方はもちろん、喫煙されない方も、長引く声の異常がある方は、早めの診察をおすすめ致します。
62歳の男性の方です。1日60本のヘビースモーカですが、声がかれたのを自覚され、早期に受診されました。
組織検査はがん細胞が認められましたが、幸いステージIの早期がんでした。
総合病院での、レーザー手術後の写真です。声嗄れは少し残っていますが、腫瘍は取りきれています。幸い、その後も再発はみとめませんでした。
こうした手術は全身麻酔下で行われます。