咽喉頭異常感症

病院で調べても異常ないといわれる喉の異常感

「喉に何かひっかかっている感じがする」「食事の時に飲み込みにくい感じがする」という症状が続く方がおられれます。病院に行っても別に異常がないと言われて困ってしまう方もおられます。咽喉頭異常感症と言われる病気です。

 

咽喉頭異常感症とは

本当に身体に異常がある病気とは異なりますが、患者さんが悩んでおられるという点ではやはり病気の一つです。

 

色々な検査を行ったのち、最終診断が咽喉頭異常感症になります。腫瘍などの病気のこともありますので、この記事のみで自己判断せず、必ず医師の診察を受けてください。
 

咽喉頭異常感症の診察

 患者さんの訴えは様々です。そのため診断もなかなか難しいところがあります。耳鼻咽喉科では喉だけでなく、口やお鼻の中を調べます。


 喉については電子スコープを用いて、喉の奥まで調べますが、食道の入り口までの検査しかできません。そのため、耳鼻咽喉科でできない、食道や胃の検査を内科へ受診していただくようおすすめすることもあります。


 甲状腺や首のリンパ節の腫れがないかを触診や、エコーを用いて調べます。


 レントゲン撮影では、喉だけでなく、お鼻の病気(副鼻腔炎による鼻汁の喉への流れ込み等)が関係していることもありますので、お鼻のレントゲン写真もとることがあります。

 

喉の違和感で見つかる喉の病気

喉の腫瘍で起こる喉の異常感

  こうした検査で咽頭、喉頭の腫瘍が見つかることがあります。

  患者さんの多くは腫瘍があるのではないかと思い、心配されながら来院されます。こうした症状で、がんを始め良性を含めた腫瘍が見つかることがあります。

 特に単に飲み込みにくいだけでなく、「実際に食べ物が戻ってくる」ようなな場合は注意が必要です。

 写真は喉の異常感で見つかった方の、血管腫(良性の腫瘍)です。

バセドウ病でおこる喉の異常感

 甲状腺というホルモンを作る臓器が首の前にはあります。甲状腺が腫れたり、腫瘍ができると喉を締め付けるような違和感や、飲み込んだ時、変な違和感を喉に感じることがあります。
 写真のようなバセドウ病で腫れた甲状腺も、意外にご自分では気づかないこともあります。

喉に鼻水が流れて違和感をかんじます

 違和感の原因として、お鼻が悪いという方もおられます。例えば副鼻腔炎があって、鼻水が喉の方に流れてくる「後鼻漏」というものがあります。何か喉の上のほうが気持ちが悪い、引っかかっている感じがします。

 胃酸が逆流し、喉と食道の間の粘膜が炎症を起こし、いつももやもやしている感じがしたり、ヒリヒリ痛む感じがすることがあります。逆流性(胃)食道炎(GERD)です。診断にはやはり胃カメラをおすすめします。逆流した胃酸による喉の炎症性疾患を咽喉頭酸逆流症(LPRD)といいます。ひどくなると、声帯や気管の中まで胃酸が入り込み、慢性の咳が出たり、声帯のそばに肉芽(にくげ)が出来たりします。