副鼻腔炎とは~蓄膿症との違い

 副鼻腔炎と蓄膿症ってどう違うんですか?と時々聞かれます。

 蓄膿症の意味は文字通り「膿がたまること」です。

  多くの方が持っている蓄膿症のイメージは化膿性副鼻腔炎というものだと思います

 副鼻腔炎といった場合、もちろん最終的には副鼻腔の中に分泌物がたまるのですが、アレルギー性炎症のように、粘膜が腫れているだけで、あまり貯留液がない状態のものもあります。また分泌物も、全てがいかにも膿という黄色かったり緑色だったりするわけではありません。いわゆる青鼻のような粘っこい白い分泌物もあります。

 

  言葉としてはほぼ同じものと考えてよいのですが、小さいところではやや違うイメージもあります。もちろん医学的用語と一般的な言葉という違いもあります。

 

 副鼻腔炎は単に鼻水や頬の痛みだけの症状とは限りません。

 

 割れるような目の辺りの痛みで眠れないとの訴えで来院された、9歳の子供さんです。嘔気も強く、当初髄膜炎も疑われていました。髄液検査に異常なかったものの、CTで蝶形骨洞に陰影があり、副鼻腔炎による痛みが考えられ、抗生剤の点滴を開始しました。 

 

 このように局所的な炎症が起こり、鼻水以外の症状が出たりすることもあります。歯が痛いと思って歯科を受診したところ、副鼻腔炎(上顎洞炎)と診断される方もおられます。