免疫療法(減感作療法)

  免疫療法(減感作療法)はアレルギーの原因になるアレルゲンを低濃度少量から徐々に増量、高濃度に増やし投与して行く治療です。
 どう身体に作用するかについては、まだ多くの先生方が研究されておられます。アレルギーに関与するリンパ球の反応性の低下や、アレルゲンとの結合を阻害する遮断抗体の誘導などが考えられています。基本的に、アレルギーの原因物質に対する身体の反応を弱くするという、体質改善の治療です。
 アレルギーの根本治療と言われ、抗ヒスタミン剤などの使用頻度を少なくすることが期待できます。
 
    以前から、エキス剤の皮下注射による治療がされており、小さい針ながらも注射ということで、お子さんにはやり難いところもありました。
 また治療も、週2回程度から開始し、頻回の病院への受診を必要としました。さらに最大の問題として注射直後の皮膚発赤から強い場合は喘息様発作、呼吸苦、血圧低下などいわゆるアナフィラキシーの問題がありました。
 
   平成26年秋から、舌下免疫療法という新しい方法が行われています。
 これは口の中で溶ける錠剤のエキス剤を舌の下に保持し、そのまま貯めておき、粘膜を経由してアレルゲンを吸収させる方法です。注射よりアナフィラキシーが軽度であること、通院回数が少なくて済むことが最大の利点です。
 新規で免疫療法を行う場合、この舌下免疫療法で行うケースが殆どとなっています。
 但し、皮下注射による免疫療法が劣っているというわけではありません。
 1.治療期間が長くなる 
 2.皮下注射とはいえ痛みを伴う 
 3.アナフィラキシーが舌下免疫療法より起こりやすい 
という欠点はありますが、特にダニについては、舌下免疫療法より効果が高いという報告もあります。(80%~90%)
 
参考文献 アレルゲン免疫療法の手引:日本アレルギー学会 2022年
 

皮下免疫療法

 エキスを希釈したものを皮下に注射し、皮膚反応が出る濃度を確認し、開始濃度を決めます。量を増やしながら、規定量まで駐車すればその10倍の濃度に切り替え、また少量から注射していきます。維持量まで最高6ヶ月程かかります。


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