内服薬の種類としては抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイド、漢方薬があります。下に表でまとめてみました。
抗ヒスタミン剤は速やかな効果が期待できますが副作用としての眠気が時に見られるのが欠点です。最近の抗ヒスタミン剤は以前より脳への作用が少ないものが多くなりましたが、患者さんによっては眠気を感じる事もあります。
鼻づまりが強い場合、抗ロイコトリエン薬などの抗アレルギー剤やステロイド点鼻薬(スプレー)を使います。
初期の症状の強いときには少量のステロイド内服薬の併用を行う事もあります。
漢方薬は、どうしても眠気が強い方や、妊娠中の方に適します。更に麻黄湯というお薬のように、抗ヒスタミン剤との併用で鼻づまりへの効果が期待できるものもあります。
お鼻に入れる点鼻薬にも舌のような種類があります。
1.血管収縮薬
お鼻の粘膜の血管を収縮せせることで、粘膜の腫れを抑え鼻づまりを改善します。
一般の市販の点鼻液の多くもこれと同じような成分が含まれています。
即効性がありますが、しょっちゅう使っていると薬剤性鼻炎というのを起こします。これは、何回も使っているうちに次第にお薬の聞く時間が短くなり、効果が切れたところで逆にリバウンド作用を起こし粘膜が充血してしまいます。こうなると鼻づまりがかえってひどくなり、薬を使う回数が増えるという悪循環に陥ります。
こういう場合は一旦お薬を中止するか、ステロイド点鼻薬でゆっくり粘膜の炎症を抑える必要があります。
2.ケミカルメディエーター遊離抑制剤、抗ヒスタミン薬
飲み薬の成分を、点鼻薬にしたものです。効果もありますが、処方頻度としては次の噴霧ステロイド剤ほどはないと思います。
3.噴霧ステロイド剤
ステロイドの点鼻液です。
ステロイドは強い炎症を抑える作用をもちます。鼻づまりにも強い効果が期待されるため、鼻づまり症状が強い方には飲み薬と一緒に処方されることが多いです。最近は、その作用は抗ヒスタミン薬と同等以上といわれ、鼻水、くしゃみも含め、それのみでも十分な効果が期待できるといわれます。そのため単独で処方されることも時にはあります。
以前はフロンガスを使った強いジェットをだすタイプが多かったのですが、最近は霧状や液だれ(使ったあと鼻から流れ出てくる)を防ぐパウダータイプのスプレーが主流になっています。また以前は1日3-4回使う必要がありましたが、次第に1日2回、最近は1日1回のタイプが主流になっています。
噴霧ステロイド剤は長く使うこともあるので、副作用を気にされる方もおられます。しかし長期使用でも血管内に吸収されるステロイドの量はほとんど問題にならず、分解も早いため、飲み薬のステロイドと違い、全身の副作用は殆ど出ません。
使い方の注意としては、効果が出るまでに若干の時間がかかることから、症状が出てから使うのではなく、症状を抑え、いわばコントロールをするために、毎日定期的に使うことが大切です。