急性喉頭蓋炎の原因と治療

 急なのどの痛みと、こごもったような声、そして食べ物のみでなく、お水さえも飲めなくなる病気、それが急性喉頭蓋炎です。


 喉頭蓋と言うのは声を出す声帯(これは期間の入り口に当たります)を覆うように存在する蓋の部分です。風邪の症状が先に出ることが多いのですが、いきなり症状が出ることもあります。


 原因としてはヘモフィルスインフルエンザ菌b型(インフルエンザウィルスとは違います)という細菌が多いとされており、子供から成人に起こります。

 特にヘビースモーカーの方や、糖尿病、免疫抑制剤の治療を受けている方などはかかる危険が高くなります

 

 解剖学的に、喉頭蓋は血液の流れがあまり良くないので、炎症などで容易に粘膜が水っぽくなり、強く腫れやすい性質があります。

 

 

症状と診断

 風邪の症状が先に出ることが多いのですが、いきなり症状が出ることもあります。、最大の問題は短時間に急速に進む場合があることです。


 喉頭蓋がパンパンに腫れてしまうと、声帯含め気管の入り口がふさがってしまい、最悪窒息してしまいます。

 

 お家でいきなり息が苦しくなり、救急車で病院に運ばれている最中に窒息死してしまう例さえあります。ケースによりますが数十分~数時間で窒息してしまうことがあるのです。

 お昼に風邪と診断されて、夕方帰宅後に急変してしまい、結果的に窒息死してしまった方もおられます。

 

 特徴的なのは、前述の独特のこごもった声と、飲み込めない、声が出せないです。たとえ風邪の症状がメインで内科の先生に見てもらっていても、このような症状があったら耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。

 

 レントゲンでのどの写真を撮ると、診断がつくこともありますが、一番確実なのはのどを直接ファイバースコープで見ることです。内科の先生でも、この病気の心得のある先生はレントゲンを取られて診断を付けられる方もおられますが、実際この病気を見たことのなく、その怖さを知られない先生は結構多いと思います。

 


 下の写真は典型的な急性喉頭蓋炎です。

 

 この症例は喉頭蓋の炎症だけでなく、声帯の周りの卑劣部という「枠」の部分も腫れてしまっています。声帯の方へ続く道が非常に狭くなっていることがお分かりいただけるかと思います。

 

 これぐらい強いと、レントゲン写真でも診断がつきます。喉頭蓋が団子のようにまん丸く腫れていることがわかると思います。


治療法

治療法としては

1.必要であれば気道確保(予防的な気管切開を行います。)

 

2.抗生剤およびステロイド(炎症と粘膜の腫れをひかせる働きがあります)の点滴

 

3. ネブライザー(吸入治療 ステロイドと粘膜を収縮させるアドレナリンを加えた薬剤を吸入します)

 

が挙げられます。

 

 軽症であれば4-5日、基礎疾患(糖尿など)があり、重症であれば2週間位改善まで時間がかかる方もおられます。


 窒息寸前なほど危険な場合は、緊急の気管切開を行います。のどが腫れているため、普通息が苦しい時に行う、挿管(チューブを口から気管に入れる)はできません。


 息苦しくて横になれない場合は、座ったままの姿勢で気管切開することすらあります。

 

こういうケースはまれですが、近くの病院で急性喉頭蓋炎と診断され、総合病院への入院を勧められた時は、できるだけ早く受診してください家に帰って着替えの準備などと入っている間に悪化して窒息するケースすらありますから。

 
 

どうすれば危険な目に合わずにすむのでしょう

 なんといっても早めにこの状態に気づくことです。この病気の場合、喉の痛みが(特に飲み込む時)尋常でありません。また飲み込みが殆どできず、唾さえも吐き出さざるを得なくなることもよくあります。

 更に先ほどお話しした独特の含み声(かすれるというより、ガウガウいう感じの声)が特徴です。

 こうした症状があれば直ぐに、喉の中を確認してもらえるような病院、クリニックを受診されるのがいいと思います。

 また子供さんの場合Hibワクチンがこの細菌の感染を予防することができますので、接種を考慮されるのもいいでしょう。

 

 


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