副鼻腔炎といっても原因、病状はさまざまで、お薬もそれに応じて選択されます。
1.抗生剤
急性副鼻腔炎や、慢性化膿性副鼻腔炎の症状の強いもの(痛みが強い、鼻水の色が強いなど)には抗生剤を使います。ペニシリン系の抗生剤が多く用いられますが、必要に応じ、細菌検査を行って、効果があるお薬を選びます。
慢性化膿性副鼻腔炎では、特殊なお薬の使い方があります。それは「マクロライド少量長期投与」という方法です。マクロライド系という抗生剤を通常の半分の量を長期間(2ヶ月~6ヶ月)使うという治療です。
この治療は抗生剤としての作用を期待して使うのではなく、炎症を引き起こす物質の作用を抑えたり、副鼻腔の粘膜に働いて、たまった膿の排泄機能を促すなどの作用があると言われています。
2.去痰剤
痰や膿を柔らかくし、排泄しやすくするために用います。
3.抗ヒスタミン剤
粘膜の腫脹を抑える目的で用います。
4.ステロイド
アレルギーや好酸球性副鼻腔炎など、慢性化した副鼻腔炎に対して用います。
点鼻スプレーと飲み薬があります。飲み薬は主に特殊な好酸球性副鼻腔炎(喘息合併の人に多い、鼻のポリープができやすい副鼻腔炎)に使います。強い作用がありますので、全身への副作用に注意しながら使用します。
点鼻スプレーについてはアレルギー性副鼻腔炎の治療に抗ヒスタミン剤と一緒に使います。
5.漢方薬
辛夷清肺湯や小青竜湯などいくつかのお薬があります。