この治療は、レーザー(CO2レーザー)でアレルギー反応を起こしやすい下甲介という鼻内の側面の粘膜を焼灼する治療です。レーザーの他にも、アルゴンプラズマコアグレーター、高周波電気メスを用いる方法や、トリクロリールを使った化学的焼灼もされています。
粘膜表面の細胞の変化が起こることで、アレルギーの原因物質が内部に入りにくくなり、粘膜下でのアレルギー反応が起こりにくくなります。また粘膜が収縮するので鼻通りが良くなります。
CO2レーザーによる治療ビデオです
アルゴンプラズマコアグレーターによる治療ビデオです
ただレーザー治療には注意すべきところもあります。
1. 治療自体は出血や痛みも少なく優れた治療ですが、処置後粘膜の表面にかさぶたがつきやすく、また分泌物も増え一時的に鼻づまりがひどくなります。しばらく処置が必要です。
2. 1回の治療で効果が現れるとは限りません。1-2ヶ月の期間を空けて2回目のレーザー治療をお勧めしています
3. またうまく効果が出た場合も長期間持続するとは限りません。1年から1年半でまた症状が戻ってしまう方もおられます。
4. 花粉症に対して行う場合は、季節前に行うことをお勧めします。初めてであれば前の年の11月から12月までにされておいたほうが良いと考えます。
5. 下甲介の骨が太い方(肥厚性鼻炎)は、粘膜を収縮させても鼻づまりの改善が乏しいことがあります。もっとも、アレルギーの反応が起こりにくくなるという点からは、鼻づまりの改善は期待できます。
6. 健康保険が効きますが、手術料のみに対する3割負担で、両側で8730円かかります。同じような治療でアルゴンプラズマコアグレーターや高周波メスを用いた粘膜焼灼(しょうしゃく)術、あるいはトリクロリール酢酸による化学的焼灼術がありますが、これらは両側で6480円かかります(令和7年時点)。これに基本診療料や、薬代が加わります。