声帯ポリープ

  「最近声がかすれる」「長く声が伸ばせない」「高い声が出ない。歌いずらい」というのが、声帯ポリープの症状です。声帯結節、歌を歌う人に多いことから、謡人結節と呼ばれる場合もあります。

 

 学校の先生やお坊さんなど、大きな声をよく出す方、詩吟などの歌をやっている方に多く見られます。また、タバコを吸われる方はよりおこしやすい傾向があります。

 元々、ハスキーボイスの方が、喉に負担のある発声をしているうちに、作ってしまっていることもあります。


  ポリープは声を出すときによく振動する声帯の前方にできることが多いのですが、片方のみでなく両側にできることもあります。

 

  この方は左側に結節状のポリープを認めます。さらに、反対側の同じ場所にも、小さいポリープができています。


  また声の使い方や、時間経過によってはノッチ状ではなく、幅が広いポリープになることもあります。声が出にくくなるのを我慢して無理に声を出すことで、声帯全体に負担がかかり、声帯全体が腫れてしまうポリープ様声帯という状態になることもあります。 

 会社にお勤めの40代の方ですが、左側を中心に声帯全体が腫れしまった、いわゆるポリープ状声帯になっています


呼吸苦をおこすことも

   症状としては上記の通り、声がれが中心です。ただ小さいものであれば声の問題だけ済みますが、結節ではなく大きなポリープ状態になると、稀ですが声帯の間の空気の通り道を邪魔するようになり、時には息苦しさを感じるようになります。

  ビデオの方は、接客業で、声を酷使されていた女性の方です。声のだしにくさ、軽度の息苦しさがあり来院されました。呼吸の際も、声門(声帯の間の空気の通り道)が殆ど見えません。

 窒息のリスクも有るため、できるだけ早く手術が必要な状態です。


子どもの声帯ポリープ

 声帯結節(ポリープ)は大人の病気とは限りません。幼児にも起こることがあります。小さい子の中には活発で、地声で大きな声でよく遊ぶ子がいます。元気があっていいのですが、こういう子の喉をファイバーで見ると小さいポリープができていることがあります。

 9歳の男の子の声帯ポリープです。小児の声帯ポリープは、手術を行うことはあまりありません。音声リハビリテーションを中心に指導しますが、子供さんの場合、なかなかうまくいかないこともあります。