「上を向いて頭の後ろをトントン」というのをやったことがある方も多いかもしれません。しかし、これは正しい鼻血の止め方ではありません。
「上を向く」のではなく「下を向く」のが正しいやりかたです。
1. まず鼻の柔らかいところ(鼻翼)をしっかりつまみます。
2. 次に軽く下を向きます。口の方に血液が流れ込んできた場合 は、ペッと吐き出すのでなく、舌で押し出してティッシュ等で取ります。
3. もし可能なら、アイスノンや小さい袋に入れた氷を(低温やけどをしないようにガーゼなどでくるんで)つまんでいるところの上(目の内側のちょっと下)にあてるのも効果的です。
4. 15分ほどで通常は出血が治まってきます。
5. ただし30分以上たっても出血が止まらない場合は病院で診てもらいましょう。
あるいは最初に尾翼をつまんでいてもどんどん口の方に血液が流れ込んでくるようなら早めに病院受診をされてください。
キーゼルバッハ部位以外の鼻の奥や、上方から出血した場合は、この方法での止血は困難です。またこうした所からの出血はその出血量も多くなりがちです。
6. ワーファリンやバイアスピリン、その他抗血小板薬などの、いわゆる血をサラサラにするお薬を飲まれている方の場合も、早めの病院受診をおすすめします。
特にワーファリンの場合は、自然止血は困難なケースが多く、その他の抗凝固剤でも一見止まったように見えて、その日の深夜に再出血などもよくありますので。病院受診の際にはお薬手帳や、お薬の名前の書いてある紙を持っていかれてください。
7. 鼻出血は、少量でも派手に見えることもあり、また普段血液を見慣れていない方の場合、びっくりしてしまいます。
出血中は反応性に血圧が上がりがちです。(大量に出血した場合や、自律神経反射で逆に低血圧になりショックをおこすこともあります)
慌ててしまうとますます血圧が上がり出血します。落ち着いて対処することが大切です。
シンガポール赤十字による鼻出血に対する救急対応法