免疫療法(減感作療法)

  免疫療法(減感作療法)はアレルギーの原因になるアレルゲンを低濃度少量から徐々に増量、高濃度に増やし投与して行く治療です。
 作用機序については、まだ多くの先生方が研究されておられます。アレルギーに関与するリンパ球の反応性の低下や、アレルゲンとの結合を阻害する遮断抗体の誘導などが考えられています。
 基本的に、アレルギーの原因物質に対する身体の反応を弱くするという、体質改善の治療です。
 アレルギーの根本治療と言われ、抗ヒスタミン剤などの使用頻度を少なくすることが期待できます。
 
    以前から、エキス剤の皮下注射による治療がされており、小さい針ながらも注射ということで、お子さんにはやり難いところもありました。
 最近は舌下免疫療法という新しい方法が行われています。
 これは口の中で溶ける錠剤のエキス剤を舌の下に保持し、そのまま貯めておき、粘膜を経由してアレルゲンを吸収させる方法です。
 注射よりアナフィラキシーが軽度であること、通院回数が少なくて済むことが最大の利点です。
 新規で免疫療法を行う場合、この舌下免疫療法で行うケースが、最近は殆どとなっています。
 但し、皮下注射による免疫療法が劣っているというわけではありません。
 特にダニについては、舌下免疫療法より効果が高いという報告もあります。(80%~90%)
  

皮下免疫療法について

 

 エキスを希釈したものを皮下に注射し、皮膚反応が出る濃度を確認し、開始濃度を決めます。量を増やしながら、規定量まで注射すればその、10倍の濃度に切り替え、また少量から注射していきます。維持量まで最高6ヶ月程かかります。

 


ダニアレルギー用の舌下免疫療法治療薬「ミティキュア」とスギ花粉症用の「シダキュア」(鳥居薬品)