小さい子供さんの中には、小さいものを、鼻の中や耳の中に入れてしまうことがあります。
経験的に圧倒的に多いのは、ビーズ玉、おもちゃのピストルの玉(BB弾)、おもちゃのパーツなどのプラスチックが圧倒的です。次いで、豆などのお菓子、紙片などでしょう。
お家の方がすぐ気づいていればいいのですが、時間が経ってわかる場合もあります。
鼻腔は、奥で喉につながっていますから、鼻で息を吸った時に、異物が喉に落ち込むことがあります。
咳きこんで、気管の中に吸い込んでしまうと、気管支異物となって危険な状態になります。
耳の異物と違い、鼻の異物は速やかに取ってもらうべきです。(耳は奥で盲端になっており、慌てて取る必要はありません)
周囲の大人が、日頃から、床や机の上に、小さいパーツやビーズなどが転がっていないか、いつも気をつけてあげるのが大切です。
子供さんで、汚い膿性の鼻水が、片方からだけ出ていることがあります。こういう場合、鼻内の異物による感染を起こしていることもあります。
この子は4歳の子供さんです。右側から水っぽい鼻水が出るとのことで来院されました。右側に黄色い膿が認められ、一側性副鼻腔炎のように見えます。
ただし大人と違い、子供さんの一側性鼻炎はそう多くありません。
「子供の片側の鼻炎は異物を疑え」は鉄則です。
レントゲンを撮ってみたところ、右の鼻腔に異物が写っていました。粘膜を収縮させ、膿を吸引すると、奥に異物が確認でき、摘出しました。小さな電池でした。
やはりビーズや、モデルガンの弾など、プラスチックが多いのですが、電池などの金属、ピーナツなどの植物性異物も見られます。
この方も4歳の子供さんです。
左のお鼻に入れたのは、セロテープの丸めたものでした。子供は、思いもかけないものを拾って、鼻の中に入れてしまいます。小さい子がいるご家庭では、ゴミ一つにも気を抜けまないということでしょうか。