鼻腔とならんで、耳も、小さい子がものを詰めてしまいがちです。
詰めるものとしては、丸いものが中心となります。また豆などの食物より、プラスチックの玩具などが多いようです。大人も含め、小さい虫など生物が入り込むこともあります。
丸いものはつかみにくく、摘出が難しい場合もあります。無理にとろうとすると奥へ入り込んでしまい、ますます取れなくなってしまいます。
無理に触らず、耳鼻咽喉科への受診をされることをおすすめします。
7歳の男の子の左耳に入った、球形のプラスチック(モデルガンの弾)です。お家の方が耳かきで取ろうとしたものの、出血してきたとのこと。
出血と、外耳道(鼓膜の手前の部分)が腫れあがっています。異物は無事取れましたが、しばらくの間、この炎症を取るための治療が必要でした。
鼻腔異物と違い、外耳道異物は緊急性はありません。鼓膜のところで、外耳道は盲端になっていますので、それ以上深くは入りこみません。夜間の場合は、翌日で大丈夫です。
一方、鼻の中の異物は、ひょんな拍子で吸い込んでしまい、喉や気管の中に入ってしまう事もありますので、速やかに摘出が望まれます。
右の写真は右耳に入ったビーズです。向こう側に鼓膜が見えてます。ここでたいてい止まっており、それ以上奥には行きません。
ただし、痛みを感じる場合は別です。
5歳の子の右の耳に入った、プラスチックのビーズです。
とがった部分があり、耳の後ろの壁が傷がついています。痛みが強いため来院されました。
こうしたケースは早めの受診が良いと思います。
虫が入った場合は、虫が中で動くと、尋常でない痛みや、ガサガサ音を感じます。
痛いとき時は、痛み止めや坐薬をお持ちなら、それを使っていただいても結構です。
虫を殺そうとしてお水を入れると、かえって暴れ出して痛みが増す場合もあります。
30歳男性の左側に入った蛾です。羽ばたきの音で、昆虫類と自覚することもあるかもしれません。
小さい虫であれば、耳の中で反転して出てくる事もあるので、部屋を暗くして、懐中電灯で耳の外側を照らしてみるのはいい方法です。
大人の方ですが、綿をマッチ棒に巻いた、お手製の綿棒で耳掃除をされる習慣があったそうです。
最近、音を聞いたとき、ガサガサ変な音がすると言われ、来院されました。
鼓膜のすぐ手前に、綿棒の先の綿が外れて残っていました。音を聞いた時、鼓膜が震えて、接触した綿がこすれて音がしていたのものと思われます。