昔から、魚の骨がかかったら、ごはんやパンを丸呑みしたらいいと言われています。
しかし、丸呑みしても、胃の方に落ちてくれるとは限りません。より奥の場所に、再度ひっかかったり、粘膜に深く刺さってしまうこともあります。
耳鼻咽喉科用のファイバースコープで取れない場合は、胃カメラをして取り出すこともあります。
写真は、咽頭右側~食道の上方に入り込んだヒラメの骨です。幸い、ファイバースコープで取ることが出来ました。
下は、ご飯を丸呑みされ、骨が食道まで押し込まれ、なおかつ粘膜に刺さってしまった症例です。刺さってから早いうちに受診されたため、内科の先生に、胃カメラで取っていただきました。(耳鼻咽喉科だけでは対応できない症例です。)
こうした症例は、時間が経ち、その部が化膿すると、食道の外側まで感染が広がることがあります。食道周囲に膿がたまる状態となり、縦隔膿瘍(じゅうかくのうよう)を起こします。
縦隔は、心臓や肺に接しています。縦隔膿瘍の炎症が、更にこうした臓器に広がると、場合によっては、命の危険にさらされることがあります。
ファイバースコープの観察で、どうしても骨が見つからなかったものの、痛みを強く言われるためCTをとった方です。
舌の根元の粘膜下に、魚骨が刺さっています。こういう場合、ファイバー下に取るのは難しく、時には直達鏡という硬い筒を口の中に入れ、摘出することもあります。直達鏡は、診療所で備えているところは多くありません。全身麻酔下に行うことが多いので、病院で行うことがほとんどです。