突発性難聴と鑑別が必要な病気

 若い人の場合、機能性難聴(心因性難聴)という、ストレスなどにより、本当は聴覚は正常なのに、音への認識がないという病気のこともあります。脳波の検査など他覚的聴力検査が必要になります。

 

 また中耳炎のひどい場合や、おたふくかぜや風疹のあとのウィルス性難聴のこともあります。通常の中耳炎が進んで内耳炎をおこし、聴力が悪くなることもあります。

 ウィルス性難聴は、ほとんど聞こえなくなることもあります。特に風疹による難聴は両方のお耳が聞こえなくなることもあるので、注意が必要です。ただ残念ながらこうしたウィルス性難聴は改善がほとんど期待できません。

 

  突発性難聴は、通常、片方で起こることが多く、途中で難聴が進行することもほとんどありません。こういう場合は特発性両側性感音難聴(両側進行性難聴)という別の病態を考える必要があります。

 

  また鼻を噛んだあとに急に聞こえが悪くなりめまいが起こるのは外リンパ瘻というまた別の病気も疑う必要があります。

 

 めまいを伴った急性難聴や、低い音が下がるタイプの難聴では、メニエール病もしくは急性低音障害型難聴との鑑別が必要です。