滲出性中耳炎は赤ちゃんから幼稚園くらいのお子さんに多い病気です。ただし少数ですが大人の方にも起こることがあります
「滲み出る」という字のように、周りの粘膜から液が中耳腔という鼓膜の奥の空間に引き寄せられ溜まって来ます。
(下の鼓膜は両方共黄色い滲出液がたまっています。右の正常と比較してみてください)
病気の原因は簡単にいうと「耳管の閉塞」と「それに続く中耳腔の陰圧」です。鼓膜の奥には、鼓膜に当たった音のエネルギーを奥に伝える耳小骨を収めた中耳腔という空間があります。これとお鼻の間は、耳管という管で交通しています。
耳管が、以下のような原因で詰まったり狭くなると、これを経由した空気の行き来ができにくくなります。中耳腔の中の空気は元々自然に周りに吸収され、耳管経由で空気が中耳に入ってきて圧の調整を行なっています。これが閉塞によりできなくなると、次第に中耳腔の空気が薄くなり陰圧になってきます。中耳腔が陰圧化すると、周りの粘膜から水分が滲み出て来ます。
これが滲出性中耳炎です。
滲出性中耳炎の主な原因〜図版もクリックしてご覧ください
1)急性中耳炎が耳管にまで広がり、その炎症が残っていることで、粘膜が腫れ耳管が狭くなる
2)アレルギーや慢性鼻炎で粘膜が腫れ、耳管の鼻への出口が塞がっている
3)小さい子でアデノイドという鼻の奥の扁桃 が大きい場合、これが耳管への交通を妨げている場合がある
4)その他、大人の方の場合、鼻腔(特に奥の上咽頭)の中の腫瘍など