小さい子の発熱と中耳炎

 小さい子供が、かぜなどの症状は乏しいのに高い熱を出すことがあります。子供の発熱は特別な病気を除けば、一般的には気道感染、扁桃炎や咽頭炎のほか中耳炎が原因と考えられます。耳が痛いとの訴えがあればいいのですが、ぐったりして泣く元気すら無いようなときなど、中耳炎の存在がわからないこともあります。

 

 下のお子さんは、小児科で抗生剤の点滴をしながら解熱しないため、ご紹介を受けた患者さんです。両側重症の中耳炎と診断し、即時に鼓膜切開(小さな穴を鼓膜に開けて膿を出す)を行いました。速やかに解熱しているのがおわかりいただけると思います。

 

 最近は小児科の先生が耳の中を診てくださることが多くなり、中耳炎の診断をつけて紹介してくださるケースもよく有ります。鼓膜切開はやはり耳鼻科医でないと難しいと思いますので、こうした連携は重要かと思います。

 

 鼓膜切開は注意を払えば、決して危ない処置ではありません。中耳炎による発熱時、早期の中耳炎のコントロールを必要とする場合は、積極的に行うべき治療です。