急性中耳炎はその多くは鼻(鼻腔)を経由した耳(中耳)への感染で起こります。
中耳と鼻腔は「耳管」という管でつながっています。この管を通ってウィルスや細菌が、中耳腔に到達すると、中耳炎が起こります。
小さい子がいきなり耳を痛がりだすと慌てがちです。特に夜間で、病院への受診が困難な場合もあるかと思います。
しかし、程度によっては、中耳炎は初期治療としては、鎮痛剤だけで対処できるケースもあります。
軽症の中耳炎に対しては、ウィルス(抗生剤は効きません)の感染によるケースが多いことと、安易な抗生剤の使用による耐性化を防ぐ意味で、抗生剤の使用を控えることがあります。
アメリカやヨーロッパの中耳炎治療に対するガイドライン(治療指針)や、日本のガイドラインでも推奨されています。(関連記事→)
軽症の場合、ご自宅に解熱用の坐薬があれば、痛みをとってあげるだけで初期治療としては良いということです。もちろん、翌朝にはお近くの耳鼻科で診てもらってください。
「どういう状態が軽症なのか」ということですが、判断基準としては、次の様なことが挙げられます。
1. 発熱がないか、あっても微熱
2. めまいや吐き気がない
3. 耳の周囲の皮膚が赤くなっているなどの変化がない
逆に上記があれば、やはり早期の受診が望ましいかと思います。
右上の写真は1歳の子の右側の軽度の中耳炎です。
下は膿が鼓膜の向こうに見えてます。右側の写真はもう破裂して膿が出る寸前です。こうなると痛みも最高潮になってますし、高いお熱が出ていることもあります。鼓膜切開(鼓膜に小さい穴を開けて膿を出す)の適応になるケースです。