鼓膜穿孔の治療

 鼓膜の穴以外に問題がない場合は、そのまま保存的に経過をみます。

 

 小さい穴の場合は1週間程度、大きいものであれば2ヶ月程度かかることもあります。

 

 鼓膜の穴が自然に塞がりやすいように、周囲を硝酸銀などで化学的に炎症を起こさせたり、キチン膜やテルダーミスなどのシートを貼ることもあります。

 

 どうしてもふさがらない場合は、鼓膜閉鎖術という手術を行います。

 症例によっては、日帰り手術も可能です。手術についてはこちら(単純性慢性中耳炎)を御覧ください。ただし、大きな穴の場合は、入院手術となることもあります。

 

外リンパ瘻の場合
 めまいを強く伴う外リンパ瘻の場合は、鼓膜の穴のためだけでなく、内耳そのもののダメージが起こることもあり、鼓膜がふさがっても、聴力が戻らない可能性があります。めまいも激烈なこともあります。まず頭を上げた状態での安静を行い、程度と経過によっては手術を早めに行うことがあります。

 

耳小骨連鎖不全の場合

 耳小骨のつながりを損傷してしまい、骨がずれたり外れたりした場合は、聴力の程度に応じて手術が行われます。緊急手術になることはほとんどありませんが、早めの手術が望ましいとされています。

 

鼓膜がふさがるまで以下のような注意が必要です。


まずは耳に水を入れないこと
 最も重表なのは、感染を起こさせないことです。鼓膜に穴が開いているため、入浴時、水が入ると、中耳炎を起こしてしまいます。できるだけ耳栓の使用をおすすめします。お子さんの場合は、水泳教室など行かれている場合、お休みしていただいたほうがいいかと思います。


鼻を強くかまない
 鼓膜に穴が開いていると、鼻を強くかむと、空気が耳に抜けやすく、それと共に、鼻水が耳の方に飛んでしまい、それが原因で中耳炎を起こしてしまいます。できるだけ優しくかむようにされてください。