御家庭で気をつけることとして、前述のように、兄弟間、友人間でのピンポン感染を防ぐことが大切と言われています。
1.保育園から帰ってきた時はもちろん、鼻を触ったり、口を触った時は、できるようなお年なら手を洗ってもらい、そうでなければ手をきれいに拭いてあげてください。
2.小さい子で鼻水がよく出る場合は、できるだけ家庭用の吸引器具などで吸ってあげてください。お鼻のなかをお掃除することは、菌を減らす意味でも大切なことです。
3.風邪をひいた場合、早めの治療が大切です。また小さい子がよくかかるウィルス性の病気(たとえば手足口病や水痘、はしか、嘔吐下痢症など)では全身の免疫力が低下しますので、中耳炎になりやすくなります。
耳を触っている場合は中耳炎の存在も考えられますから、全身状態が落ちつたら早めに診てもらってください。
4.中耳炎が治ったと思っても、単に沈静化しているだけのこともあります。自己判断で治療を中止されずに、最後まで診てもらうことも大切です。
ご両親がお忙しいこともあり、病院への受診がどうしても間隔が延びがちになってしまいがちです。しかし、中耳炎はこまめに手をかけてあげることが、結果的に難治化するのを防ぐことができます。
中耳炎の難治化というのは昔から今までずっと耳鼻咽喉科医を悩ませてきた問題です。ご不安な点は、担当医に尋ねられてください。
参考文献
小児急性中耳炎診療ガイドライン 2024年版 金原出版