めまいの中で、よく知られているのがメニエール病です。メニエール病の最大の特徴は「くり返して起こるめまい」です。ただ初めてのめまい発作の場合は、この特徴だけでは判断できません。
もう一つ特徴の特徴として、めまいの起こった時、あるいはその前に「耳鳴り」や「耳が詰まった感じ」、「聞こえにくい」などの、聴力の症状が起こり、めまいが治まってくると、それらも軽くなります。問診での聴力の異常、耳鳴の確認は、診断をつける上で大切です。
一般的には、メニエール病はめまいの病気として有名ですが、実際にはめまいを伴わない、耳の症状(耳の詰まった感じ、耳鳴り、聴力低下など)が主体の方もおられます。こういうケースを蝸牛型メニエール病と呼びます(反対に耳の症状が乏しく、めまいが主体の方を、前庭型メニエール病といいます)
メニエール病の発作が起こって直後と、1週間後の聴力検査です。メニエール病では、低い音を中心に聞こえが悪くなるのが特徴です。ただ聴こえ方がそう悪くならない方もおられます。
以前は、働き盛りの男性に多いと言われていましたが、個人的な印象では、最近はむしろ女性のほうが多いと思います。(統計的には、70年代以降、ほぼ男女同じくらいの頻度といわれています)
メニエール病は、「内リンパ水腫」という状態からおきると言われています。内リンパ水腫とは、内リンパ液の量が増えている状態です。その原因についてははっきりしていません。ただ、水分調節に関係するホルモンが関係していると言われています。ストレスによるこのホルモンの増加が、めまい発作の背景にある可能性が指摘されています。
メニエール病は、短期間で落ち着く方も多いのですが、何年とめまいとお付き合いしていかなくてはならいない方も多くおられます。めまいも激しい事が多いため、仕事や家事に多大な影響が出ることもあります。
メニエール病の大変なところは、めまいが無いときは比較的元気なため、周りの方にその辛さを理解してもらうのが難しいということです。職場での理解が不十分で、転職を余儀なくされた方もおられました。
めまいの辛さはなってみないとわかりません。周りにもし患者さんがおられたら、理解してあげてほしいと思います。