声がれ以外の症状

 喉頭がんの症状としては、声がれがよく知られています。しかし、声帯にかからない上方に腫瘍ができている場合、声がれが目立たない場合もあります。

 

    それでも症状が進むと、飲み込む時の痛み、血痰などが出てきます。進行すると、声帯まで進行し、喉の動きが悪くなるため、声がかれてきたり、ものの飲み込みがうまくできなくなり、むせるようになります。

 

    腫瘍ができた位置にかかわらず、進行して大きくなると、声帯の間(声門)をふさぐような大きさになります。呼吸が苦しくなったり、喘息のようなヒューヒュー音がするようになります。最悪の場合、急に息ができなくなり、窒息寸前になってしまいます。


  この方は69歳の男性ですが、声帯の上の喉頭蓋と言われる部分に腫瘍ができています。

 声帯の上方に腫瘍があります。

 こういう場合、当初は声がれを自覚しないこともあります。


窒息しそうな喉頭癌

 

 73歳男性の方ですが、以前から声はかすれていたとのことで、声の変化には気づかなかったとのことです。

 1ヶ月前から血痰と喉の痛みがあったとのことですが、風邪と思い様子を見ておられました。

 

 夜間に急に呼吸が苦しくなり、救急車にて病院搬送されました。

 両方の声帯は腫瘍で閉塞し、空気の通り道がありません。緊急手術で、気管切開を受けられました。

 

 放射線や抗癌剤での治療では難しい状態なので、手術での喉頭摘出が必要となります。