喉頭がんの症状としては、声がれがよく知られています。しかし、声帯にかからない上方に腫瘍ができている場合、声がれが目立たない場合もあります。
それでも症状が進むと、飲み込む時の痛み、血痰などが出てきます。進行すると、声帯まで進行し、喉の動きが悪くなるため、声がかれてきたり、ものの飲み込みがうまくできなくなり、むせるようになります。
腫瘍ができた位置にかかわらず、進行して大きくなると、声帯の間(声門)をふさぐような大きさになります。呼吸が苦しくなったり、喘息のようなヒューヒュー音がするようになります。最悪の場合、急に息ができなくなり、窒息寸前になってしまいます。
73歳男性の方ですが、以前から声はかすれていたとのことで、声の変化には気づかなかったとのことです。
1ヶ月前から血痰と喉の痛みがあったとのことですが、風邪と思い様子を見ておられました。
夜間に急に呼吸が苦しくなり、救急車にて病院搬送されました。
両方の声帯は腫瘍で閉塞し、空気の通り道がありません。緊急手術で、気管切開を受けられました。
放射線や抗癌剤での治療では難しい状態なので、手術での喉頭摘出が必要となります。