大人の繰り返す鼻出血は要注意

 子供さんと違って、大人に鼻出血が繰り返しておこることはそう多くありません。特に片一方だけならなおさら注意が必要です。

 

1.今まで感じなかった鼻づまりがこの数カ月急に起こってきた。

2.鼻血が繰り返しておこるようになってきた。

という場合は、腫瘍が隠れている場合があります。

 

 もちろん良性のポリープ(出血性鼻茸)や腫瘍もありますが、やはり悪性のものも考えるべきで、上顎洞がん、篩骨洞がんといった副鼻腔のがん、鼻腔がん、上咽頭がんが隠れている場合があります。ただ血管腫や、血瘤腫と言った良性の腫瘍もありますから、心配されるより、まず検査をされることをおすすめします。

 

 内視鏡の検査でわかるものもありますが、CTやMRIなどの画像検査が必要になることもあります。

 


左鼻腔血管腫

左側のお鼻にできた血管腫です。良性の腫瘍ですが、血管が豊富でくりかえす鼻出血があります。この方の場合は、鼻中隔(お鼻の中央のしきり)からでた血管腫でした。周辺の粘膜も含めて局所麻酔で手術を行いました


これは右側のお鼻の中にできた血管拡張性肉芽腫というやはり良性の腫瘍です。ただかなり出血しやすいため全身麻酔で手術を行いました。上の方と合わせ、手術後は鼻血を自覚されることはなくなりました。


50歳代の方に出来た左の鼻腔がんです。鼻中隔から天蓋(鼻腔の天井部分)から発生していました。自覚症状はやはり鼻出血で、一見ポリープ状に見えますが、真ん中の生検(少し組織をとって調べること)をしたちじり悪性腫瘍でした


 40歳代の方に出来た上咽頭がんです。

 

 上咽頭とはお鼻の一番奥に当たる部分です。小さい子供さんには天井の部分にアデノイドという扁桃が発達していますが、大人の方ではほとんど小さくなっています。天井近くに腫瘍が存在しています。

 この方は頻回の鼻血と、頭痛(頭の芯が痛い感じ)、耳のつまり感などが主な症状でした。

 

 上咽頭がんは比較的若い方にもみられるがんです。組織型にもよりますが、多くは放射線治療と化学療法に良好な反応を示します。

 

 頭に近いこともあり、頭蓋内への進行もありますから、早期の発見がやはり必要です。

 ただ残念ながらこのがんは進行してから、病院に来られることが多いのです。