鼻中隔弯曲症の手術について

 手術は全身麻酔でも局所麻酔でも可能です。

鼻中隔の曲がりを取るだけでなく、側方からの突出である下鼻甲介の切除を一緒にすることもあります。

鼻中隔矯正術

 鼻中隔矯正術では、粘膜の下の曲がっている部分の軟骨や骨を除去します。

 

 鼻中隔の前方から下のほうまで粘膜に切開を加え、鼻中隔表面の粘膜と軟骨を剥離し、露出した軟骨にも切開を入れ、反対側も同じように粘膜と軟骨を外したうえ、文字通り、曲がっているところを中心に、軟骨部分と骨を窓型に繰り抜いて除去するというものです。

 

 骨は一部はノミで削ります。すべて取るわけではなく、前方や上方の一部を残して、お鼻の形が保たれるようにします。

 

 最後に切開した粘膜を縫い合わせ、鼻中隔の両側から残った粘膜を圧迫します。この際、タンポンやガーゼを入れ固定します。固定の間は、両側のお鼻とも息ができません。

    

左は鼻中隔を横から見た図です。黄色い部分が軟骨の部分、ピンクの部分が骨の部分です。曲がっている部分を中心に軟骨と骨の一部を除去します。お鼻が変形しないよう、上方と前方は枠組みとして残します。

右の図は前から見た模式図ですが、鼻中隔の軟骨、骨部と左右の粘膜を外し、鼻中隔を切除します。

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粘膜下下甲介切除術

 下甲介の前端の粘膜に切開を入れ、粘膜の下の骨を周囲の組織とはずし、根元で切断して下甲介の骨を除去する手術です。骨の厚みの分だけ下甲介のボリュームが小さくなります。 

 

   粘膜を内側からレーザーで焼灼し、下甲介体積を縮めたり、粘膜の一部を追加で切除することもあります。