気管・気管支異物

小児の気管支異物

 「赤ちゃんには豆類をあげてはいけない」

 昔は、このことを知っている方が多く、おばあちゃんが若いお母さん教えていたと思います。しかし、最近の家族環境の変化もあるのでしょうか、気管異物の怖さを知らない若いお母さんもおられます。

 また知っていても、このくらいなら大丈夫だろうと、自分が食べていた豆などを子供さんにあげたりする方もおられます。

 

 一方で、食べさせなくても、小さい子は、豆にかかわらず、おもちゃ、ビーズ、紙の切れ端など、そこら中の物を口にいれてしまいがちです。咳きこんだ拍子に、それらを誤って気管に吸い込んでしまうこともあります。

 

 気管の中の異物を取るのは、簡単ではなく、危険を伴います(ある意味命がけともいおえます)。

 実際の摘出は、全身麻酔で行います。異物を取るため、気管チューブを抜いて、直達鏡という器具を気管に挿入し、鉗子で異物を取ります。途中、呼吸状態が悪くなると、気管支鏡を抜いて、気管チューブと入れ替えるといった操作が必要です。ときに入れ替えの際、血液の酸素濃度が急速に下がり、怖い思いをすることもあります。

 

 赤ちゃんにかぎらず、小さいお子さんをお持ちの方は、気管支異物の怖さを覚えて頂きたいと思います。