睡眠時無呼吸症候群の検査

 睡眠時無呼吸の検査としで、ポリソムノグラフィ(PSG)アプノモニターがあります。

 

 両者の違いは、PSGは脳波まで記録した検査で、アプノモニターはそれができません。脳波を見ることで、睡眠の状態や、脳に障害がないかなどの情報を見ることができます。但し、頭に電極をつけるのに時間がかかることと、病院での入院がどうしても必要になるのが欠点です。

 

 一方、アプノモニターは、装着方法を習っていただくと、ご自宅で寝る前にセッティングし、測定することができます。口や鼻の息の流れや、喉の呼吸音、体位センサー、心電図、血液の酸素飽和度といった、診断に必要な情報を記録します。これを病院に持ってきて頂いて、解析を行うというものです。

 

 これらの検査は、ネーザルCPAPやスリープスプリントという治療を保険診療で行うためにも必要です。 


ポリソムノグラフィ(検査機械や施設によってセンサーは異なります)

  ポリソムノグラフィは、病院に入院しておこないます。多くは内科の病院で行われていますが、耳鼻咽喉科でも入院施設のあるところは検査をされています。

 

 写真のように、頭に脳波用の電極、お鼻に空気の流れを感知するセンサー、喉の呼吸音を調べるマイク、身体の向きを調べるバンド状のセンサーなど重装備になります。もちろん心電図や、血液の酸素の量(飽和度)を調べるモニターもつけていただきます。

 

 小さいお子さんにはこの検査は難しいため、アプノモニター(アプノモニターも難しい場合もあります)を行います。


耳鼻咽喉科では、次のようなことも調べます。

 

1. 鼻の形の異常の有無 (鼻中隔弯曲症やアレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎などお鼻の病気で空気の通り道が狭くなってないか)

 

2. 口の中の観察 (のどちんこが長くないか、扁桃が大きくないかなど)

 

3. ファイバースコープを使い、鼻から喉にかけての形を確認します。実際に横になって頂き、舌の落ち込みがないか、呼吸をする時どう気道が狭くなっているかを確認します。

 

4. レントゲン写真で、鼻の病気の有無、アデノイド(鼻の奥の扁桃)、顎の形、喉の前後の広さなどの状態を評価をします

 

 耳鼻咽喉科で判断しにくい、歯のかみ合わせ、顎の位置などについては、歯科の先生に診察検査をお願いすることもあります。


 扁桃はそう大きくないものの、軟口蓋(上顎の後ろの柔らかいところです)が長くたれさがっており、空気の通り道が狭くなっています。

 さらに、のどちんこ(口蓋垂}が通常より長めです。(口を開けた時に舌に届く程)

 

 

 


  この子供さんは、左右の扁桃が大きく、鼻の奥のアデノイドが大きい状態です。そのため、空気の通り道が狭くなっています。



 患者さんに横になってもらい、お鼻からカメラを入れ、のどの状態を見ています。奥に見えるのが声帯と、その上の蓋のような喉頭蓋です。左右のでっぱりが扁桃です。息を強く吸うと左右から扁桃が寄り、喉を狭くしているのが分かります。こういう場合は、扁桃の摘出が効果的です。