声帯ポリープとがん

  声帯ポリープは炎症によっておこる病気です。これ自体が癌化することはありません。ただ、たばこを吸われ、かつこうした喉の炎症を起こしやすい人にはがんができやすいとは言えると思います。

 

   またポリープのように見えて、実際は乳頭腫(ウィルスでおこる良性腫瘍)のこともあります。乳頭腫は癌化するリスクが多少なりとも有ります。

 

   更に一見ポリープと思って手術をしてみると、実は癌だったということもあります。 

   ですから、まず声帯ポリープといわれ手術をすぐしないことになっても、できれば一度組織確認をおこない、きちんと経過を診たほうがいいと思います。一見ポリープに見えたものが次第に腫瘍らしくなってくることもあります。

 

   血痰は通常のポリープではでませんし、声を出すとき以外に痛みがでることもありません。こんな症状があれば組織検査が望ましいかと思います。


左の写真、似ていますが、組織検査の結果は上が声帯ポリープ、右が喉頭癌(扁平上皮癌)でした。多くはないですが、ファイバースコープの観察だけでは、診断がつけにくいこともあります。

 

 保存的に見ていくことになっても、定期的に形の変化がないかなどを見ていくのも大事です。