扁桃摘出とアデノイド切除 −特に子供さんに有効−

 睡眠時無呼吸症候群の手術治療で、扁桃肥大による「左右型」タイプのケースに扁桃摘出は有効です。特に子供さんに対してはアデノイド切除とセットでよく行われます。


 子供さんの閉塞型無呼吸症候群の多くは閉塞型で左右型が多いのです。扁桃腺の肥大とアデノイド(お鼻の奥の扁桃)が大きいため、空気の通り道が狭くなっています。この2つを切除摘出する手術は、お鼻の奥と喉の奥の空気の通り道を広くし、呼吸を楽にします。


 ただし小さいお子さんに手術をするかどうかについては、悩まれる方もあるかもしれません。別項にも書いていますが(→扁桃摘出の適応について)、無呼吸の程度がやはり中症等症以上であれば手術をおすすめしたいところです。


 大人の方にも「左右型」のタイプの方には効果がありますが、大人の方の場合、全周性や舌根沈下型の方や、鼻中隔弯曲症などのようなタイプも多いため、こういう方には効果が限定的です。



6歳の子供さんですが、扁桃もアデノイドも中等度の肥大でそう大きくはありません。


 アプノモニターをしていただくと1時間あたりの無呼吸+低呼吸の平均回数(AHI)が39.2回という高度の無呼吸症候群でした。

 動脈の酸素の濃度(飽和度)も息が止まっているときは最高72%まで低下していました(起きているときは100%はないといけない数値です)

 心電図の記録でも夜間に変動が激しく、酸素が下がった時を中心に、65回/分位の心拍数が、時には120回/分程度まで上昇しており、苦しい状態であることがわかります。

この方に扁桃摘出術とアデノイド切除を行った結果です。レントゲン写真でみても、アデノイドも切除され、空気の通り道が広くなっています。

 実際のアプノモニターの結果ですが、先ほどの無呼吸+低呼吸の回数(AHI)は1回と手術前のAHI39.2から劇的に改善しました。

 酸素の低下も最低で95%でほとんど睡眠中の異常な酸素低下はなくなりました。

この状態であれば全く正常の状態です。

 

 上と同じように酸素飽和度と心拍数の関係を見てみましょう。酸素飽和度の低下が見られなくなっています。65回/分程度の安定した呼吸の状態が長くなっていることがお分かりいただけるかと思います。

 

 もちろんすべての方がこのように有効なわけではありませんが、経験例では平均して手術前と手術後のAHIを比較して80%以上改善したというデータがあります。

 

 子供さんの閉塞型の睡眠時無呼吸症候群には特に効果があるものと思います。